「新しい札幌の建築作品集 1947-1954」 札幌建築士會/昭和29年12月
戦後間もない1949(S24)年、大通公園に設置された札幌市の公衆便所です。背景右に北海タイムスビル、左に北海道拓殖銀行が見えますので、建設場所は大通西3丁目と思われます。
この公衆便所が水洗式だったかどうかはわかりません。屋上に排気筒が見えますので、どうも汲み取り式のように見えます。和式の汲み取り便器はその穴の奥、すぐ見えるところに糞尿が溜まっていますから、とても臭いものでした。このにおいを便所に留まらせることのないよう、外へ排気するために色々と工夫を凝らした方々がいたそうです。昔の建築雑誌には〇〇式などと考案した人の苗字をとった広告がいくつも載っていますが、その中でも特に発明協会の表彰に輝いたという磯田栄吉さん率いる(株)磯田工業所の防臭装置は大変優秀なものだったそうです。
この公衆便所は大通公園3丁目という場所に完成した市立公衆便所ですので、札幌市の指名業者だったという磯田工業所の仕事跡に違いないと思われます。