建築年表 公共編

1961

秋山愛生舘ビル 第2期

1961年

札幌市中央区南1条西5丁目

増築及び改修し、現存

三菱地所

大成建設

秋山記念生命科学振興財団 所蔵 より

 秋山愛生舘3代目社長 秋山康之進さんは1955年に「孝行ビル」を建設した後、事業のますますの発展を願って新社屋建設の計画を立てました。最初は地下1階地上4階建としていたものの、急なご自身の入院から回復されると、5階建てに変更して着工されたのだそうです。

 下掲画像の通り、1階柱型の見え掛かりは楕円形です。このような工夫が2階以上の壁面に柱型を現わさなくて済んだようです。また、ビル隅部でL型に続くコーナーサッシは枠のみで収まっていて、すっきりと美しい姿を見せてくれています。その1階部分は金属グリルのスクリーンのようですが、その幾何学模様の構成がこのビルの見せ場となっているようです。シンプルでありながら洗練されたアクセントを持った外観には当時の三菱地所ならではの味があり、所長林哲夫さんの采配が感じられます。

秋山愛生舘 配送課の皆さん秋山愛生舘75年史 昭和42年発行の私家本より

南西から北東方向への航空写真 秋山記念生命科学振興財団 所蔵 より

 先代社長が1936年に建設した木造社屋を取壊して建設したので、ビルは2つに分けて順番に建て、業務の支障が最小限に抑えられるよう配慮されたのだそうです。「愛生館文庫」へお伺いしましたら、まさに建設途中の様子を写した航空写真を見せていただきました。社業の歴史をしっかり紡ごうとされる秋山康之進社長の心意気が、このような貴重な記録を残したようです。同年初夏に竣工したばかりの北海道拓殖銀行本店も写っていますが、日本銀行札幌支店はギリギリ切れていました。残念!

 5代目社長をされていた秋山孝二さんはこの時9歳でした。ビルに設置されたエレベーターは札幌ではまだ珍しかった自動運転のタイプのもので、興味津々にエレベーターを操作してみたり、また、配送用の自動二輪車にまたがってみたりと、懐かしい思い出話をしていただきました。
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