建築年表 公共編

1981

秋山愛生舘ビル 第3期

1981年

札幌市中央区南1条西5丁目

増築及び改修し、現存

三菱地所 札幌支店

大成建設 鶴田宣彦所長

秋山愛生舘ビル(現 愛生舘ビル)第3期増築竣工時秋山記念生命科学振興財団 所蔵より

 秋山愛生舘ビル(現 愛生舘ビル)は1981(S56)年のこと、第3期目の増築改修工事でそれまでの5階建てから7階建てへ大きくなりました。現在の姿はこの時に完成したものとなります。秋山家は1955(S30)年の孝行ビルを建設した時から、新しいビルの建設やその増築工事について設計は三菱地所へ、施工は大成建設へ依頼され続けているようでした。

 ある日、愛生館文庫様へ訪問した時に見せていただいた第3期工事の完成イメージパースに、おや?と思いました。

秋山愛生舘ビル第3期増築工事イメージパース秋山記念生命科学振興財団 所蔵より

 当初の第3期完成イメージは、第2期の5階建ての姿に素直に2層積み増しした姿だったようなのです。しかも、1階隅部に設置されていた金属グリルスクリーンのような装飾が残されていました。完成した姿はこのパースと大きく異なり、金属グリルスクリーンは撤去されて1階から7階までのガラススクリーン仕上げとなっていますが、1981年としてはかなり洗練されたものだったと思われます。

1階ホール

左 ホールから2階へ  右 ホールから地下へ

 ホール壁面に仕上げられた大理石とテラゾーは、1961(S36)年の新築時に施工されたものをそのまま活かしたのだそうです。特にテラゾーについては、こんにちの建築によくある薄い仕上げ材を貼ったのではなく、塗って磨いて仕上げるという存在感の強さがあり見惚れてしまいます。増築工事の時、当世風の内装改修に走らず、あえてクラシックなまま活かした方法に賛否があったかもしれません。もちろん私は賛成派ですが、このように大事に使い続ける心を忘れないようにしたいものだと思いました。
 エントランスのサッシもまた素敵です。完成時は恐らくアルミ製だったと思われるのですが、その後にスチール製に戻されてテラゾー仕上げのエントランスホールにふさわしい設えとなりました。これを提案したデザイナーとオーナーの美意識に拍手を贈りたいです。
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