MODERN LIVING vol.35 昭和36年より
詩人・郷土史家・アイヌ研究家という肩書きを持つ更科源蔵さんの自邸。戦前・戦後、貧乏で苦労したという自叙伝の中にこの家のエピソードが登場します。友人だった金田一昌三さんが館長をしていた北海道立図書館(現 北菓楼札幌本店)に出入りしているうちに同様に通っていた田上先生と出会って意気投合し、また高倉新一郎さんからは、双子山に所有する土地を貸すから家を建てれば良いじゃないかと勧められたといういきさつが述べられています。何とか着工したものの、お金が足りなくて引っ越した時にはまだ窓ガラスが入ってなかったという告白までされています。
この貧乏話は、謙遜だったのか、はたまた誇張だったのか?立派な体裁の外観を見るに、どうしても貧乏話と結び付けられないのです。