田上 義也 作品アーカイブス

1967

ホテル華の湯

1967年

川上郡弟子屈町川湯温泉2丁目

かろうじて現存

2019年の姿

 川湯温泉街に湧く湯は酸性明礬泉で通好みだということです。かつては賑わいをみせていた温泉街でしたが、現在はあちこちに廃業した宿が残ったままで寂しい雰囲気となっています。田上先生が手掛けれらたこのホテルも、閉鎖以来少しずつ傷みが進んできているようです。

 軒下にいつもの換気口が連続しているので、ああ田上先生の仕事なのだなと、見当はつきます。しかし、直方体の外観には、どうして田上先生の設計でなければならなかったのか理由がわかりません。標津方面の人脈が絡んでいたのかもしれませんし、鉄骨造ALCパネル張りと見える工法が受け入れられたのかもしれません。ただし、旭化成のへーベルライトはまだ生産が始まっていないので、ソ連の技術導入をしたシリカリチートかもしれません。どちらにしても当時としては最新工法だと思われ、田上先生のチャレンジ意欲を推察することができます。

 町発注による解体工事が2020年度中に行われるとの情報が入ってきました。
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