戦後における札幌の住宅の歴史を振り返りますと、まず昭和30年代の北海道住宅公社による三角屋根住宅が思い出されます。その後、その画一的な外観への反動もあったでしょうし、ポストモダニズムの流行も影響したのでしょうか、「変形屋根」の時代が出現します。札幌の住宅を見た時、大体の建築年の想定がつくというのは、他の地域では滅多に無いことなのだそうです。「変形屋根住宅」の妙な左右非対称性・複雑怪奇な屋根形状の外観の流行が、チンドン屋的街並をつくってしまったといわれています。私も同感だったのですが、今回遭遇した「変形屋根住宅」は例外でありました。