18禁建築

18kin/2011

札幌の特殊事情

2011.08.15

 戦後における札幌の住宅の歴史を振り返りますと、まず昭和30年代の北海道住宅公社による三角屋根住宅が思い出されます。その後、その画一的な外観への反動もあったでしょうし、ポストモダニズムの流行も影響したのでしょうか、「変形屋根」の時代が出現します。札幌の住宅を見た時、大体の建築年の想定がつくというのは、他の地域では滅多に無いことなのだそうです。「変形屋根住宅」の妙な左右非対称性・複雑怪奇な屋根形状の外観の流行が、チンドン屋的街並をつくってしまったといわれています。私も同感だったのですが、今回遭遇した「変形屋根住宅」は例外でありました。
 歯科医院併設の住宅なのですが、雁木のある入口の屋根がシャープで、高さを抑えた片流れ屋根部にトップライトが対比されるようについています。医院部分のアルミサッシが水平に連続していますので、複雑さを抑えるのに一役買っているようです。モダニストが敢えてチャレンジした変形屋根住宅なのかも知れない、と想像してみるのも一興であります。
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