18禁建築

18kin/2013

金のシャチホコ

2013.04.21

 金のシャチホコが乗っている和風住宅を発見し、体が凍りつきました。名古屋に本社のある会社に20年勤めて神経を擦り減らしましたので、金のシャチホコに対してアレルギー体質となっているのです。家に金のシャチホコをつけるなんて正気の沙汰とは思えないと、しばらく腕を組んで見つめました。

 カメラを構えていると、恐ろしいことが思い浮かんできました。
 「ウチに何か文句あるのかコラっ!」という雪駄にステテコ、腹巻姿のご主人からタバコの煙を顔に吹きかけられるという場面をです。もしそういう事態になったら、何と言って切り抜ければよいでしょうか。という心配はせずに、本能の命令のままシャッターを切りました。

 名古屋城の金のシャチホコは、大泥棒に金のウロコを剥がされたり、本体そのものを狙われるという歴史を重ねてきたそうです。この現代において、敢えてそのような危険に見舞われてこそ、この住宅は完成するのではないでしょうか。だから、シャチホコが奪われるのをご主人様は求めているのではないでしょうか。


 私の中でシャチホコ強奪作戦が芽生えたのを感じました。
2013.4.21
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