解体中の市立小樽病院。
1969年の本館も良いですが、さらに魅力的な裏の建物にも足場が架かりました。
四ツ角が丸い太目ちゃんです。しかし、薄く鋭い屋根と空中に浮いた階段が、対比的に組み合わされています。これら全てがコンクリート打ち放しで仕上げられています。細部を眺めれば眺めるほど、大変な型枠工事作業だっただろうと唸らせられます。神経質とも見えるくらい細部の光る建物の屋上に細い樹が生えていました。人工物が自然に征服される瞬間のようで、ちょっとした無常を感じました。
この病院の1期棟は1953(S28)年の建築と伝えられています。もしもそれがこの建物だとしたら、当時としてはかなり手の込んだ外観です。
繊細さを併せ持つぽっちゃり系として、心に残りました。