新建築 1961年12月号より
坂倉準三さんによる1961年の塩野義製薬研究所。
ここの壁に青いタイルが登場して以降、いくつかの建物に坂倉らしさを感じさせる特徴として使われました。私は札幌パークホテルの青いタイルも同じ窯場のものと思い込んでいたのですが、このたび塩野義製薬研究所のタイルは京都清水焼の大仏タイルであることを知りました。
それではなぜ、坂倉準三さんは札幌パークホテルに有田焼のタイルを採用したのでしょうか。呉市民会館や東レ基礎研究所の青いタイルは、どこの窯場産だったのでしょうか。釉の味わいや深みの違いが決め手となっていたのなら、その狙いはどういう点だったのでしょうか。
まずは、それぞれの窯場と焼き上がったタイルの特徴を知らねばなりますまい。