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blog/2003

旧札幌逓信局ビルさようなら

2003.02.28

 NTT北海道支社ビルが解体されています。

 このビルは、第2次世界大戦突入前夜の昭和14年に建てられたそうです。当時、札幌では珍しいモダニズム建築でした。竣工時は、コンクリート打放しであったといいます。昭和36年の改修で外壁にタイルが貼られてしまい、端正な顔が甘くなってしまったと伝えられています。

 最近聞いた話によりますと、設計案ではやはりタイルが貼られる予定だったそうです。それでは、コンクリート打放しで完成した理由は何だったのでしょうか?

 不穏な時代の中で華美な仕上げを自粛したのか。
 建築物資不足のあおりを受けたか。
 設計者の美学の主張が最後に通ったのか。

 どんな理由にせよ、戦前にカッコ良さ最先端のコンクリート打放しビルが札幌に存在していたことが嬉しいです。

 しかし、同時代の逓信局営繕課が設計したモダンビルもここまでの抽象性を追及した建築は無かったのではないでしょうか。はっきり言いましょう。東京中央郵便局や大阪中央郵便局よりもカッコ良かったぞと。
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