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blog/2003

富樫邸見学会

2003.07.05

 富樫邸がマンション用地として計画されているという噂を聞きました。これは大変、どうしよう。一度で良いから拝見したいと、札幌建築鑑賞会に連絡してみました。「当会にもその情報が入り、来週見学会を開催させて頂く。」とのお返事です。そして今日、私も参加させて頂きました。

 昭和3年に大工棟梁の小島与一さんが設計施工したという住宅。モボ・モガが街を闊歩していた時代の典型的な和洋折衷様式。よく手入れされており、ほとんど痛みがありません。このような美しい住宅が時代の流れに翻弄されるとは痛ましいことです。

 それにもまして素晴らしいのは、広くて起伏に富んだ庭です。大きな池まであります。この辺りは札幌扇状地の端にあり、湧水の出るところが多いのです。向かいの知事公館などにもその昔は鮭が上がってくるほどだったらしいです。

 現所有の富樫さんから昔話をたくさん頂きました。何故か一番印象に残ったのは、地下鉄東西線の工事が始まってから水が湧かなくなったという話です。地下水がその北側に流れて来なくなったようなのです。今はその池に水道を流しているそうです。


 取り壊しが決まっているのに、今日も庭師が手入れをしていました。
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