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blog/2007

札幌銀行西支店の謎

2007.01.12

 札幌銀行と北洋銀行が合併するという発表がありました。銀行の合併には、店舗の統廃合がついてまわります。私の懸念は、札幌銀行西支店の行く末なのです。

 この建物、実に謎めいています。一見では昭和合理主義的な普通のビルなのですが、このビルの設計者は少し挑発をしているような気がします。というのは、昭和の顔をさせた外観の両袖に、セセッション風のデザインが繋がっているからなのです。大正と昭和が渾然一体となっている姿に、不思議な味わいを感じてしまいます。

 更にこの建物を特別な印象とさせているのは、外壁の材料です。通常この手の建物は、色気の少ない工業製品で仕上げられる事が多いです。しかし、ここでは木製の羽目板となっています。さしづめ、サキソニーウールであるべき男子学生服がブラックデニムで仕立てられてしまったというような妙な手触り感を発しているのです。

 また、銀行施設というものは、信頼・信用のイメージを守るために外観が損なわれてはならない筈です。それなのに、この羽目板が所々外れて穴が開いています。それを修繕しようという動きも見えません。

 札幌は潔癖な街だけに、どうしても目が行ってしまうのです。
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