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blog/2007

立ちんぼの誘惑

2007.02.25

 昨夜、創成川の東側で酒を飲みました。札幌の場末ムードを味わってみようと思ったのです。ところが、もう少しで店に到着という所で1人の女性に呼び止められました。

 「お兄さあん。遊んで行かなあい?」

 太く、ひどいしわがれ声でした。私の母より年を食っていそうでした。これが立ちんぼだと気付くのに数秒かかりました。誘惑を拒んで店へ着いたものの、今でも私娼が存在しているのかと、飲んでいる最中も動揺が止みませんでした。

 さてこの立ちんぼですが、昭和に2回大発生しているのだそうです。1回目は敗戦を原因とした女性たちが自分の身を売る決意をした「昭和20年以降」だそうです。続いて昭和30,31年に、冷害による大凶作で農村が、大凶漁で漁村が疲弊しきりました。食いぶち減らしの為、たくさんの若い娘達が特殊飲食店で働く売春婦として売られてしまったのだそうです。2回目は、売春防止法の施行で職を失ったこれら女性達が、結局この世界で密かに独立せざるを得なくなった「昭和33年以降」なのだそうです。

 昨夜の女は、年齢的に2回目の境遇を辿ってきた女性なのではないかと思われました。
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