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blog/2007

坂邸が燃えた・・・

2007.05.27

 今朝、新聞を読んでいましたら、銭函の「坂邸が全焼」という記事に体が固まり、パンをかじったまま運転席に飛び乗りました。

 焼け落ちた姿に「美しい・・・。」とは不謹慎ですが、正直そう思ってしまいました。

 田上義也さんの設計で昭和2年の建築。フランクロイドライトの影響を強く感じる住宅。彼の作品がまたひとつ無くなってしまいました。

 太い柱や梁が燃え切らず、黒く煤けたフレームを残してもなお建ち続ける姿に圧倒されました。スプリングが飛び出した五角形の造作ソファの綿からは、まだ煙がくすぶっていました。ストーブの上に洗濯物が落ちてしまったらしいのです。

 住人の関係者らしき方から「何か欲しいものがあったら持っていってね。」と声を掛けていただきました。「写真だけ撮らせてください。」と恐縮しつつ、ひとつ、燃えていない物を見つけてそっと持ち帰りました。
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