Blog

blog/2007

光風館とスズラン

2007.07.08

 私が中学生時分、手稲富丘の山際に廃墟がありました。そこは明治中頃に開業した「光風館鉱泉」があった場所なのです。当時、温泉といえば定山渓ではなく、ここの事を指したそうです。そこに至る山道は桜に包まれて、大変華やかだったとのこと。娯楽の無い時代、温泉という最高の贅沢を満喫した後は、周囲の丘でスズラン狩りを楽しむのが上級コース。ある外国人女性が見つけた後に有名になったそうです。そのスズランは、国内でも大変珍しいニホンスズラン。今でもそっと咲いています。

 昔を懐かしみ、廃墟へ行ってみました。
 
 木造の建物は朽ち果てて、コンクリートの基礎だけが残っていました。もちろんこれは、光風館の後にできた手稲温泉の名残です。真夏の夜には格好の肝試会場となったものです。

 あの晩の深夜、真っ暗の廊下を一番奥まで行かされました。突き当たりの部屋から拾ってきた物が「昭和35年の主婦の友」。ゾッとして放り投げました。「何で25年前の雑誌が落ちてるんだ!?」

 変な事まで思い出しました。
Top