今日、黒川紀章さんが急逝されたと速報が出ました。

　札幌市民には、どちらか言うと身近に感じられた有名建築家ではなかったでしょうか。市内に黒川さんの作品が幾つかあるからです。
　道庁の池を目指すカモが、必ず一度は立ち寄る札幌大同生命ビル。
　黒づくめ黒川さんよろしく、黒い外観だった旧札幌プリンスホテル。
　札幌オリンピックでプレスセンターとなった北海道青少年会館。

　さてこの北海道青少年会館ですが、彼の代表作品「中銀カプセルタワービル」のプレ建築である事は、意外と知られていません。工場で完成させたユニットカプセルを現地で組立て、その後は具合に応じて交換できるというメタボリズム建築です。その実現第１号となるはずだった北海道青少年会館は、札幌ではうまくいきませんでした。冬季工事中、ユニットカプセルを積んだトラックが真駒内柏丘の雪の坂道を登れなかったからなのだそうです。急遽、プレキャストコンクリート造に変更となったそうなのですが、外観のイメージは損なわれずに無事完成したとのことです。もしも計画通りに完成していたら、語り継がれる建築になったに違いありません。

　ところで引き返していったユニットカプセル達は、一体どこに行ってしまったのでしょうか。私は、翌年の中銀カプセルタワーに生まれ変わったに違いないと睨んでいるのです。