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blog/2013

倉本 龍彦 展

2013.01.19

 1972年、ニセコの「ばあちゃん家」で衝撃的デビューを飾った倉本先生。ギャラリー創で今まで封印してきたその第1作について初めて語り、そして今回を最後の講演にされるというのです。

 これを聞き逃すわけにはいきませんでした。

 何かにつけ「あの斜めに刺さった家を設計した・・・」と定冠詞を付けられて人に紹介される事について、自分が「高校三年生」を歌い続ける68歳の舟木一夫の姿と重なってうんざりしたとのことでした。僕は絶対にああはなりたくなかった。だから意識して触れて来なかったのだと白状され、皆大笑いとなりました。また、熱く苦しかったワーゲンビートルカブリオレを引き合いに、厳しかった室内環境や誤って侵入してくる観光客のエピソード、大雨の濁流が室内に流れた時はニセコの落水荘になってうれしかった等々、先生独特のお笑いトークで一気に語り終えられました。

 現在、10年間無人だったこの家を先生の御隠居住まいとすべく、改修されているそうです。ご自身の第1作に戻って行かれるお姿を想像しますと、先生の人生がとても羨ましく思えました。
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