７０年代の北海道、特に札幌に大量発生した変形屋根住宅。
　「俺ん家は、あの家の屋根より派手な形の屋根にしてくれ。」
　住宅の注文の仕方に、実際にこんなやりとりがあったといいます。

　ところで作家の赤坂真理さんによると、ジャイアンはガキ大将でもなく、いじめっ子でもなく、単にカンシャクを発散していた少年なのだそうです。１９６０年生まれの彼が小学５年生といいますから、あのマンガの時代設定は１９７０年ということになります。なるほど、あの時代の学生運動や団塊生まれの母達によるヒステリー、ポストモダン建築の発生の根源は、当時代から感じられてきた捉えようの無い矛盾への「カンシャク」だったと思えてきてしまいます。

　ジャイアンが札幌にいたなら、きっとやはり言ったでしょう。
「俺ん家は、あの家の屋根より派手な形の屋根にしてくれ。ガハハハハ。」と。