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「ハイツ現代」が背負っていたもの

2015.09.17

 1973年竣工、東区本町に残る「ハイツ現代」。確かに赤いファサードまでは「現代」なのですが、1歩中に踏み込めば基本の木賃スタイルなのです。

 当時、建ぺい率オーバーの違反建築だと新聞をにぎわせたそうです。それが原因なのか、非常に接近した2棟の隙間にうず高く雪が積もっています。1階の部屋へは雪山を掘って、2階の部屋へは雪山の尾根を登って帰らなければなりません。

 昨日通りかかりましたら右棟が無くなっていました。竣工42年後にやっと建ぺい率に収まり、雪害からも解放されたのです。住人の長く苦しい戦いと我慢の記憶が、片側解体後の更地に感じられました。
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