豊平区旭町にあるガソリンスタンド。既存の札幌軟石塀にコンクリートの壁を飲み込ませ、傍らには、はつって傷つけられた円筒が立っています。
小手先のテクニックに見えるのですが、どうしても惹かれてしまいます。
ザラザラの札幌軟石を取り除かずに、ツルツルコンクリートと対比させた事。
薄い壁の横に量感のある円筒を置いた事。
ツルツルな円筒を意図的に壊してザラザラにしてある事。
ここに流転の世界を感じる事が、設計者の狙いにまんまとハマったようで悔しい。
破壊という行為が、
美を高める調味料、
ゆとりや遊びの表現、
などと考えられた時代を振り返るに、建築デザインというものは平和の上に成り立っていると感じるのです。