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ホクノースーパーの魅力

2020.09.20

たった一つの照明切れも許されないデザイン

ガラスを隔てて、外部と内部の階段がつながっている所が良い

 もみじ台にあるホクノースーパー中央店。
 1976年に開業したという店舗は当時としてはかなり大型だったに違いありません。ただ大きいだけでなく、鉄骨トラスに組まれた屋根で柱の少ない大空間を実現しています。鉄骨トラスをそのまま天井に見えっぱなしにさせた点、もしも建設当時からこの様子だったとしたら、なかなかとんがっていると思います。当時の常識なら構造物や設備なんかは天井板で隠してしまうのが普通ではないでしょうか。開業時のもみじ台は若いファミリー世帯で賑わったそうなので、照明仕込みのトラスが見えっぱなしというデザインも先行く時代感覚として受け入れられたに違いありません。

 普通、スーパーなどの商業建築は改装や建替をすることで客離れ防止に手を打つものです。しかし、このホクノースーパーはどうも建設当時のままの姿で営業をしているようなのです。だからといって客離れはしているように見えず、仕方なくそのままにしているといった風にも見えません。もみじ台という場所がそんな奇跡を可能にしたのでしょうか。

 まるで大阪万国博覧会(1970年)にあったかのような、またはポンピドゥセンター(1977年)が登場したときのような空気がプンプンしたままなのです。
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