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北海製罐第3倉庫

2021.07.24

絵葉書より

2021年7月の姿

 北海製罐(株)は昨年9月、小樽工場第3倉庫を令和2年度内に解体したいという発表を行いました。これを受け小樽市は1年間の解体猶予を申し入れるとともに、市民・経済界・有識者の方々も「第3倉庫活用ミーティング」を設置して積極的な活動をされ、小樽市もガバメントクラウドファンディングでこれを後押ししました。


 この官民あげての盛り上がりは何なのか?羨ましさと同時にこんな疑問が沸き起こりました。


 小樽第3倉庫は、1924年竣工のRC造という近代建築です。それ以前の石造倉庫とは違う無機質な雰囲気です。どちらかと言えば建築マニア好みのする外観で、ちょっとコワイ感じも漂っています。しかし、運河側にあるスパイラルシュートや階段の親しみやすさが、その威圧感を上回っているのでしょう。そしてその機能性がそのまま残っていることで、建物そのもののリアル感が貴重に映るのではないでしょうか?

 小樽運河沿いに歴史的建造物を模した建物が増えたことで感じられる嘘っぽさ。小樽第3倉庫のリアル感には、これらの嘘っぽさを帳消しにする力がありそうです。



 こんな動機が保全・活動の根っこにあるとしたら、激しく同意できます。
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