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札幌市役所庁舎

2022.01.02

 札幌市役所庁舎を元NHK札幌放送会館の所に建替え、解体跡地を大通公園から連続する緑の空間にするという計画があるそうです。

 鉄筋コンクリートの建物は一般的に50年を寿命の目安とされているようです。ということは、そのターゲット範囲が遂に70年代の建物にまで食い込んできたということであり、1971年竣工という札幌市役所庁舎もまさに標的となったのです。
 ところで、庁舎1階に謎の壁面装飾があります。ホールの壁面いっぱいに表現された1点透視図法的なタイル貼り。よくよく見れば、奥行き感を強調するかのように上下左右のパートが角度をつけて貼られています。一体これは何を意図したものなのか、アートなのか、腕を組んでしまいます。

 床にデザイン貼りされたタイルも見逃せなく、六角形モチーフが崩れたり現れたりする動きある様子も見て楽しいものです。同時期に並行して建設された北海道厚生年金会館も建物全体から細部にまで六角形モチーフが使われていましたが、共に三菱地所の同一人物の仕事なのかと推測するのもまた一興であります。
 また、見逃せないもう一つの点は、地下食堂から眺められる庭です。この庭デザインに腕を振るったのが、東京の岩城造園さんとのことでした。地上から深く掘られた庭は立体的かつ奥行き感があり、一般市民も食堂でランチを食べながら堪能できるのです。跡地を公園にするという計画に、この庭が活かされることを切に願うばかりです。
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