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東宝映画「社長忍法帖」に映るホテル三愛の謎

2022.08.05

竣工時及び現在のエンジ色のタイルが貼られた壁面ホテル三愛 開業パンフレットより

 この6月に行ったホッケン研の活動、ホテル三愛(現 札幌パークホテル)の訪問取材について事前打ち合わせにホテルへお伺いしたとき、上掲のエンジ色のタイルに目が釘づけになりました。「なぜ、ここだけエンジ色のタイルなのか。」と不思議に思ったのです。帰宅してホテル竣工時のデータを確認すると内部仕上げの項目に「一部 大仏タイル」と書いてあるのを見つけて「ははん、あれは大仏タイルなのか。」と思いました。

 「坂倉先生、ちょっとでも良いからウチの材料を採用してくださいよ。これまでずっと採用してきて下さったじゃないですか。今回はメイン材を有田タイルさんに譲りますから。ね、先生。ただ、ウチの材料とわかるように青とは違う色にして下さいね。」
 まあこんな話があったのだろうと、勝手な物語を想像していたのです。

何故?青いタイルの壁面東宝映画「社長忍法帖」よりキャプチャー画像

 ところが、東宝映画「社長忍法帖」に映った同アングルのシーンを見て、手からコップがすべり落ちました。その壁面タイルが、何故か「青」になっていたのです。外壁タイルがそのまま内部につながりこんできた様子です。このロケは竣工からわずか数か月後の姿だというのに、一体どういうことなのかと気になって夜も寝られないのです。
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