建て付けの悪いドアをギィ~と開けて、ほの暗いホールへ足を踏み入れます。誰も居ないのかと抜き足で店内へ近づくと、「食事ですか・・・?」とボソッと声が掛かかりました。驚いて辺りを見廻すと、暗い厨房からこちらを見ているオジサンがいらっしゃいました。もちろん食事に来たのですが、お客さんが1人も居ないのですから、その質問に頷けました。
ご案内を受け席に着きます。床がやや傾いているので、よろけました。
(私好みの具合にまず★1つ)
・チーズフォンデュー
・ラム肉のステーキー
・コーヒ
・コーラー
何度もスイスへホームステイされたという渡辺オーナーさんは、どうやら一般的なカタカナ表記を忘れてしまったようなのです。笑いを堪えられないメニュを見て、私はステーキーをオーダしました。(ここで★★2つ)
水を飲んで一息つきますと、とても小さな音でヨーデルのBGMが鳴っていることに気が付きました。ふと、人の気配のする方を見てみますと、ずっと奥の窓側にお客さんが1人いました。本物のスイス人らしいのです。とても背の高い美人の女性でした。非現実的な状況に恍惚としていますと、ステーキーが運ばれてきました。