珍建築

chinnazo/2014

残しておかねばならぬ記録

2014.09.06

 戦後モダニズムが行き詰った1960年代後半、建築デザインにその土地の歴史や風土を絡ませようとする動きが再注目されました。田上先生は、アイヌモチーフを使って幾つかの建物を設計し、ホテルアカシヤという傑作を残されました。アイヌ文様をデフォルメして使用することについて、アイヌ純粋主義者から苦情があったかどうかはわかりません。しかし、床ヌブリ氏がこの建物に納めるレリーフのために腕をふるったというのですから、問題は無かったのかもしれません。

 問題は、その後、アイヌ文様を意識したような建築が次々と生まれたことです。

google map より

google map より

 1970年代に完成したと思われる北34条にあった「けいほくコーポラス」。とりあえず飾りつけときました的な安易なデザインに恥ずかしいような、それでいて惹きつけられるような複雑な気分になります。このような装飾建築はもっと残っていたはずなのですが、ほとんど記録するチャンスのないまま消えていったものが多いです。取壊し後に気がついたので、グーグルマップで健在時の姿を画像保存しました。

 今、グーグルマップで見ることのできる札幌の風景は2010年8月の様子です。しかし最近、グーグルマップの車が市内を新たな撮影に走り回っています。そのうち、撮り逃した風景も更新されてしまうかもしれません。その前に、記録し忘れた建物を2010年8月から探し出して保存しておかねばなりません。2014.9.6  
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