某タクシー会社 札幌市中央区北10条西
何故か記憶に残ってしまう建物というものがあります。しかし、それがどこにあったのか、どうしても思い出すことができません。ひょっとすると子供の頃に見た夢の中の風景なのか、または、テレビアニメの中に登場したものだったかと、捜すことをあきらめます。
時が流れて、捜すことをあきらめたことさえ忘れてしまったある日、その建物と偶然に再会してしまう時があります。脱力して「ここにあったのか・・・。」と呆然とした後、私を苦しめた苛立たしさが沸き上がってくるものの、あまりの懐かしさにそれを許してあげようと、心が揺れます。
一体私は、たかが建物に何を動揺しているのか。
されど建物、いや、たかが建物、やはり、されど建物なのであります。