珍建築

chinnazo/2020

江別市上水道配水池管理棟

2020.09.19

江別市西野幌

1966年

不明

大学セミナーハウス ウィキペディアより

 1965年、早稲田大学教授 吉阪隆正さんにより設計された大学セミナーハウス。
 ピラミッドをさかさまにしたような形には、モダニズムらしい合理性よりも、むしろそこを突破しようとする意志が感じられます。このような外観は、業界人だけでなく建築にそれほど興味の無い人々にも注目させる力を持っていたのではないでしょうか。

科学特捜隊 日本支部 
ウルトラマン大全集 講談社 1994年より

 ウルトラマンに登場する科学特捜隊日本支部のビルが、大学セミナーハウスに似ているという話は有名です。1966年に放映開始したウルトラマン、背景セット担当者は大学セミナーハウスを見て「これだ!」と叫んだのではないでしょうか。科学特捜隊が入居するのにふさわしい、夢と希望と科学技術にあふれた建物です。このビルが、もしも端正な真四角のモダニズム建築だったとするなら、ウルトラマンの人気はそれほどではなかったかも知れないと思うのです。

江別市上水道配水池管理棟

 同じころ、東京から遠く離れた北海道で「これだ!」と叫んだ人がいました。上水道の配水池管理棟の設計担当者は、自分も逆さピラミッドをやってみたいという欲求にとらわれたのではないでしょうか。特異な外観だけでなく、建物の玄関へ真下から入っていくというアプローチには、セミナーハウスや科学特捜隊ビルよりも高いワクワク度があります。上水道の施設にしてはずいぶんと過剰なデザインとなりましたが、これを提案した担当者や判をついた上司、認めた水道局関係者の心の余裕に拍手を送りたいです。しかも今も痛みが見られなく、そのまま使われているのです。

管理棟と配水池入口

 管理棟右側の配水池入口を見ていると、怪獣をやっつける戦闘機が出てくるような気がしてきてなりません。

小樽にはこんなものもあります
(バブル時代は1億円トイレと噂されていました。)

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