珍建築

chinnazo/2023

北海道相互銀行 手稲支店

2023.08.05

札幌市手稲区手稲本町2条2丁目

2005年頃?解体

1967年

不明

北海道相互銀行三十年史 昭和56年8月発行より

 かつてあった手稲町は、1967年のこと札幌市へ編入されました。古い歴史を持つ手稲町が市制に組み込まれることについて、当時の町長 箕輪早三郎さんは相当な覚悟で決心されたと聞いたことがあります。この北海道相互銀行 手稲支店は、そのようなタイミングで完成した建物です。

 円形2階建ての外観で、逆アーチ状の装飾やドーム型の玄関が設えられています。札幌市の一員となった手稲町にとって、希望ある1歩、そして明るい未来を感じさせてくれるデザインだったと思います。当時の銀行支店建築の中ではかなり意欲的なものであり、お堅い金融関係で働く人にとっても新鮮な気分で職務に取り組むことができたのではないでしょうか。私にとっては、通った中学校が近かったこともあり、すでにその頃にはデコラティブな外観が逆に古さを助長した印象となっていたのですが、気になる建物として記憶に残りました。

 北海道相互銀行はその後、1989年に普通銀行へ転換して札幌銀行へと名称を変え、更に2008年には北洋銀行と経営統合しました。この手稲支店は2005年頃に建替えられたものの、経営合理化による店舗統廃合の末に手放され、現在は学習塾として使われています。
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