1962(S37)年、三菱関連会社などが入った北海道ビルヂングが完成して業務が開始されると、札幌転勤者向けの住宅が必要になったのだそうです。まずは支店長クラス向けの賃貸マンションとしてこの旭ヶ丘マンションが建設されました。高級マンションとして銘打たれていたために一般富裕層の入居希望者もあり、作家の渡辺淳一さんも住まわれていたことがあるそうです。

　札幌に生まれた最初のマンションはどこなのかという問いに対して、この「旭ヶ丘マンション(1964年6月竣工)」や「藻岩マンション(1964年10月竣工)」の２つの名前を耳にすることがあります。旭ヶ丘マンションは社宅要素のある賃貸マンションでしたが、藻岩マンションは純粋な分譲マンションでした。ですので、４か月遅れの完成ではありますが、藻岩マンションに軍配を上げたいと思います。

　ところで、マンションの建っていた敷地角に2017年まで残っていた円形交番は、この高級マンションを警護するためのものだったのではないでしょうか？三菱グループの強力な要望が交番設置を実現させたのかも知れず、恐るべし財閥力と思いました。