2022年
手稲駅前通りは札幌冬季オリンピック開催の時に拡幅をされ、この歯科医院併用住宅はその際に建てられたとのことでした。設計者の山本さんは敷地の背景に広がる手稲の山並みをイタリアはナポリの山々に見立て、RC造の硬さを緩和する目的をもって山荘風のデザインとしたそうです。竣工時は歯科医院でしたが、現在は喫茶店となっているようです。施工者は小樽の山谷建築店で、オタモイの龍宮閣や田上先生の
坂邸を手掛けられた興味深い建築工務店です。
私の中学時代のひととき、この建物の数軒隣にあった貸レコード屋で時間を潰したり、美味かったダンゴ屋で買い食いしたりしつつ、向かいにあった学習塾に通っていました。この建物の記憶はありませんでしたが、竣工時と変わらぬ外観を眺めながら付近の懐かしさに浸りました。眺めた後は目の前の蕎麦屋でかしわそばを一杯頂きますと、何と昔々4丁目プラザにあった
一茶庵の暖簾分け店だとわかりました。今日はかなり濃い目のタイムスリップを味わうことができました。