建築年表 住宅編

chrono/1974

土屋邸

chrono/1974年

札幌市南区川沿

改修し現存

アトリエブンク

丸正北日本建設

1級建築士事務所アトリエ・ブンク作品集 1970-1983 より

 アトリエブンクは1974年のこと黒い外壁を持った2軒の住宅を設計しました。1軒は辻井邸でもう1軒はこの土屋邸でした。これら2軒の住宅は外観こそよく似ているのですが、辻井邸は窓の存在を極力消した内向きのデザインで、土屋邸は積極的に窓を活かした外向きのデザインだったのです。

 積極的に窓を活かしたという狙いは、窓それぞれの高さやコーナーに設置されたことによるリズムに感じられました。これは住宅の中心に階段を設け、その周りに床レベルの異なる部屋をスパイラル状に配置された内部がそのまま外部デザインとして現れているというものでした。

1級建築士事務所アトリエ・ブンク作品集 1970-1983 より

 当時はこれら2軒を性格の違う兄弟のようだと捉えられたそうです。しかし私には、設計者Gさんの多面性が表れていると思えてなりません。中央っぽさや地方っぽさ、陰や陽、前衛や伝統、硬や軟を縦横無尽に掌の上で転がすことのできるGさんのデザイン力、先月の展覧会でそのとめどない深さがわかったような気がしています。

Google street view2010 より

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