「すまい」1967年12月号より
家の前を走る藻岩山麓通りが整備される前は、現在のようにコンクリートの擁壁の上にではなく、小高い丘の上にすっくと立つロケーションであったようです。やはり、この竣工時の姿のほうが美しく、配置やデザインもふさわしいと思います。玄関への道程に、登ってみたくなる階段を素直に使うのも良いし、子供のように緑の丘を駆け上がってもみたくもなります。
栗谷川健一さんが亡くなられた後、しばらく無人状態が続いていましたが、2006年になって不動産会社に処分されそうになり、
行く末を案じました。しかしその後、この家の魅力を大変良く御理解されている方に住まい続けられることになりました。
やたらと古い住宅がカフェ等の店舗として再生されがちな昨今に於いて、住宅が住宅として使い続けられる事は、家にとっても一番嬉しいことに違いありません。