「新住宅」 1960年2月号より
蒲鉾会社の社長自邸。何かの本でこの住宅のカラー写真を見て驚きました。外観のモルタルがカラシ色に着色されていて、周囲のしなびた木造住宅の中で光っていたのです。蒲鉾屋だけにカラシなのかと思ったカラー写真、あの写真は一体どの本に掲載されていたのか思い出すことができません。
同時期の栗谷川邸的な先端モダンとは違う、古民家風モダンです。内部のインテリアもイス式生活の若々しい雰囲気に包まれています。
ところで、上遠野先生の住宅作品の竣工写真には、いつもテレビが映っていません。当時登場したばかりのテレビですが、当然に中島邸にもあったはずです。美しい空間には不要の物だと、撮影時にはきっとどこかに仕舞わせられたのでしょう。