竣工年不明の新校舎
校舎の山型屋根が印象深く、上遠野先生らしい人工美デザインです。しかしこの形は、この大らかな緑の芝生の敷地にあるからこそ美しさが引き立つのであって、もしも室蘭市中心部にあったのでは感じられなかったでしょう。屋根の形は、そのまま3階教室の天井に現れ、それと呼応するように窓もヤマタニ型にデザインされています。竣工時は壁面より少し控えたスチールサッシだったのですが、現在はアルミサッシがつけられて壁面に近くなっています。スチールサッシ時代の方が彫りが深く、重みのある印象が山型屋根とよく調和しています。ですから、スチールサッシのまま残っている校舎に引き寄せられてしまいます。ただしこの校舎は、一連の校舎の中では新しいものだそうで、旧校舎のデザインを踏襲して設計され、上遠野先生の仕事跡ではないのだそうです。