中央区にあった愛知時計電機(株)札幌支店の社屋は、２００８年に取り壊されていたそうです。ならば、発寒工場を確認しようではないかと、ダメでもともとの気持ちで行ってみました。そうしましたら、工場の建物にそれらしい一角を発見でき、私の執着心は報われたのです。

　竣工時がどのような形であったかは知る由もないし、これがそうなの？と訝しむ向きもあるかも知れません。窓の配置と瓦棒のピッチがずれているところなど、上遠野先生の設計にしては詰めの甘さが気になるところはあります。しかし、上遠野先生のにおいが漂っているのが、私には感じられるのです。

　もともとは大きな工場建築が存在していたが、工場の建替えにより一部だけ残されたのでは？と想像してしまいます。