上遠野 徹 作品アーカイブス

katono/1968

松野邸

katono/1968年

札幌市中央区宮の森3条

現存

大和工務店
 大手外科病院創立者の自邸。そして上遠野先生の記念すべき鉄骨造住宅第1号となりました。
 通常、鉄骨という建築材料は建物の中で構造体となり、見ることはできません。しかしこの住宅では、それ自体を意匠として外部に剥き出させ、見るものに力強い印象を与えています。一方で、室内は柔らかな道産木材と布貼で仕上げられているのだそうです。そして、鉄骨造で可能になった大開口が過去最大の面積になっています。

 この住宅での新しい試みは、サッシの収め方です。
 「もしも、部屋の隅を窓ガラスで組み立てる事ができたら、より強烈な開放感が得られるのに・・・。」
 当時の住宅設計者は、誰もがこう願ったのではないでしょうか。
 この夢が、この松野邸で実現されました。
 恐らく、札幌で第1号のコーナーサッシの住宅である、に違いない、たぶん。

 この後、この住宅のバリエーションがどんどん展開され、上遠野先生の代名詞となっていきます。当時先生は、44歳でした。

「上遠野徹住宅作品集」 1981年より

「上遠野徹住宅作品集」 1981年より

「上遠野徹住宅作品集」 1981年より

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