門に立つと、ピロティになっている玄関から少しだけ庭を見通すことができます。道路に面して立っている木々の隙間からは、広い芝生に面した開放的な南面の姿を覗くことができます。この様子を撮影したいのですが、無理をするとセコムが鳴りそうなのです。
あきらめて北面の撮影だけで我慢をします。鉄筋コンクリート造らしい重厚感がちょっと近寄りがたい雰囲気を醸していますが、塀を兼ねた1階のレンガ壁が硬さを緩和しているようです。印象的なコーナー窓に目が止まります。この窓に、もしもタンスの背裏が見えていたら、この住宅に住むには失格でありましょう。もちろん伊藤さんは、コーナー窓から入ってくる光を楽しめる感性を持ち合わせた方のようでした。