「上遠野徹住宅作品集」 1981年より
一流の建築家と一流の施主が出会うと、何が起こるのか?
北海道大学で林学を専攻し北海道の木材をこよなく愛したという大滝さんが、竹中工務店北海道支店のドアを開け、まさに独立せんとされている上遠野先生に会い、ドラマが始まったのです。家具やインテリアにも造詣の深い大滝さんは、自分の座るイスを中心にして広がり展開する空間作りを希望されたといいます。RC壁構造で14室もの部屋を抱える大住宅ですが、硬さを感じさせない軽快さに溢れています。玄関前のピロティでは、ヘリンボーンにデザイン貼りされたレンガタイルの床とスタッコ塗りの外壁が、それぞれ繊細な影を作って調和しています。