上遠野 徹 作品アーカイブス

katono/1973

石井医院

katono/1973年

札幌市中央区南9条西15丁目

現存せず

コルビジェ クック邸

レーモンド 赤星喜介邸ウィキペディアより

 コルビジェの「クック邸」(1926年)とレーモンドの「赤星喜介邸」(1930年)は、外観が良く似ています。似ていますが、レーモンドの方は水平連続窓が建物の角を少し廻りこんでいます。

 この違いに気が付いて、ふと、上遠野先生が若い頃に手にされた「レーモンド詳細図集」を今も大事にながめていると数年前の講演会で聞いたのを思い出しました。1971年の 伊藤邸から始まり、この石井医院でも採用されている「隅落としの窓」は、その源流がレーモンドの住宅にあると確信を持ちました。

 その窓の角の納まりはどうなっているのか?産婦人科医院というこの建物、私一人で入るのは困難であります。話のわかる女性と夫婦を演じれば、付き添いを装って内部を見られるかも知れません。私は、建主さんに「見学させてください。」とお願いするストレートな行動に失敗を恐れ、自信がなくなっているのです。

 「ところでこの建物の場所は?」と尋ねる私に、「一昨年前はまだあったんだけど、昨年通りかかったら無くなっていたんだよね。」と言うホッケン研のハッシー。

 こういう手遅れが悔やみ切れません。

講演会でレーモンドの詳細図集を見せてくれた上遠野先生とそれを聞く私

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