上遠野 徹 作品アーカイブス

katono/1978

佐藤邸

katono/1978年

札幌市北区北15条西

現存せず

三上建設㈱
 上下にL字形に噛み合った外観が、それまでの設計とは違う印象を見せる住宅です。上遠野先生の設計する住宅は、部屋の奥に部屋、さらにその奥に部屋というように広がる平面が特徴なのですが、この住宅は珍しくスキップフロアを採用し、上へ上へ少しづつ引っ張っていきます。

 1階居間の大開口には、いつものような明快さがありません。軒無しの2階と深い軒を持った1階を混ぜて見せたデザインにも、それまでの上遠野先生らしさが感じられません。上遠野事務所はたくさんの案件を抱えて多忙になっていること、スタッフも多くなっていることなどを考えれば、どの作品にも上遠野先生個人の持ち味を期待し続けることは無理なのかもしれません。または、上遠野先生が自分らしさから脱却すべく、スタッフのデザインを尊重し始めたのかも知れません。ピロティ下の玄関へアプローチさせるのは期待通りですが、そこがガラスの壁面になっていれば尚良いです。運転しながらではよく見えないので、散歩がてら確認してみましょう。
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