建築年表 公共編

kochizu/1955

北海道労働会館

kochizu/1955年

札幌市中央区北4条西4丁目1

不明

伊藤組土建

北海道労働金庫 推進機構の30年 1981年12月出版より

 札幌の7つの労働組合が共同ビルの建築を構想し、社団法人を設立して入居者の共同出資をもってこのビルを建設しようと立案したそうです。ちょうど新店舗の計画をしていた北海道労働金庫もこれに出資し、この社団法人北海道労働会館が完成しました。ビルの完成予定は1956(S31)年5月だったのですが、北海道労働金庫は先行して仕上がった1階と2階に前年12月から入居、1階を労金店舗、2階を本部として営業開始したということです。メインの出資者ということもあり、当時は労金ビルと呼ばれていたそうです。
 現在の「加森ビル3」にはこのような歴史があるそうですが、クラシックな風情をそのまま活かして使われているようです。本業のリゾート施設には先端の装飾を凝らしつつ、本部の建物にはありのままの建物を大事に使うという姿勢にうならされます。外壁タイルのはがれ対処のために外周にネットを被せていますが、これは竣工時のタイルなのでしょうか?このビルも大五ビルと同じくらい内部の清掃が行き届いていて、モノを大事に使うことのお手本を示してくれています。

 ちなみに北海道労働金庫は、その後、更に大きな店舗が必要となり、1976(S51)年に日本興業銀行が新ビル建設で退去した旧興銀ビルを買収し、現在の本店としたそうです。
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