建築年表 公共編

kochizu/1956

北海道電力本店

kochizu/1956年

札幌市中央区大通東1丁目

三菱地所

大成建設

「北海道電力の10年」より

 現在の北海道電力本店社屋は1966年の増築2期工事を経ての姿です。増築以前の姿はなかなか見ることができないのですが、北電社史の中で端正な姿を拝むことができました。北電は既に内部に建築課を持ち、各支店や発電・変電施設を自前で設計していたのですが、本店だけは三菱地所に頼んでいます。当時建築課長だった栄米治さんは、この本店建設において工事所長もされていたそうですが、内心悔しかったのではないかと思います。後年、自分が任せられれば円形の社屋を建てたかったとお話されていたようで、その願いは1958年の北海道大博覧会桑園会場に建設された電力館で果たされたという言い伝えがあります。

「大成建設 建築写真集1950-1959」より

 社屋は将来の増築を見越して各階のコンクリート梁を外部に飛び出させた状態にしていたようです。日本が経済成長と人口増加をさせていた時代、学校建築のほとんどもこのように梁を出させたままにしていたのを思い出します。現代の若人がその写真を見ても、その理由をすぐにはわからないかもしれません。
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