１９５６年に竣工した北海道電力本社社屋を円形で設計してみたかったと話した栄米治さん。初代円形校舎として１９５４年に完成し大いに注目された富士見中・高等学校校舎を見て、その美しさと合理性に共感されたのではないでしょうか？どうしても円形建築をやってみたかったという栄さんは、１９５８年に開催された北海道博覧会の桑園会場に建設された北海道電力の電力館でその願いを実現されたと伝えられています。


　博覧会終了後、その電力館はどうなったのでしょうか？


「どこか別の場所に引き取られていった。」
「確か朝里の方に行ったらしい。」
「しばらく残っていたはずだ。」
という噂話を昔の国土地理院の空中写真の中に見つけることができました。ただし、円形の形以外に、この建物が元電力館であると裏付けるものはありません。

　１９８８年の大きな空中写真にもかすかに見えたので、つい３０年くらい前までは残っていたようです。それにしても、円形の屋根はどんな材料で完成したのか？まさか膜材ではないでしょうに。