建築年表 公共編

kochizu/1958

北海道相互銀行 本店

kochizu/1958年

札幌市中央区南4条西3丁目

現存

三菱地所

島藤建設工業

北海道相互銀行二十年史 昭和46年9月発行より
 銀行の左隣に三國屋鳥獣店の入るビルも写っています

 ススキノ交差点付近に建っている「北星ビルディング」が、実は元「北海道相互銀行本店」だったと知って驚きました。ということは、現在1階テナントに入っている「寿司チェーン店」が昔は銀行本店の営業店舗部分だったのですね。元々お金が飛び交っていた空間が後々に寿司をつまむ場所になるとは、意外な歴史の面白さがあるなと思いました。

2023年 北星ビルディング

 さらに記憶を辿りますと、このビル地下にあった「喫茶・軽食 サンローゼ」のことも思い出されます。地下店舗への地上エントランス部分は、銀行時代の窓のひとつが改造されたものだったのです。恐らく、地下金庫室がサンローゼに生まれ変わったのでしょう。そのことを当時から知っていれば銀行時代の名残りを探しに行ったかも知れません。しかし私は一度も体験することのないまま、2014年の閉店を迎えたのでありました。

閉店直前のサンローゼ

 北海道相互銀行は、本当はススキノ交差点まで拡張させて本店を建替したかったそうです。しかし、建替計画をしていた1978年頃、ススキノ交差点角に戦後から建っていた小さなビルをどうしても買収することができず、あきらめたそうなのです。結局、北海道銀行本店西隣の土地が手に入り、そこにレンガタイルの外装で建てられました。そのビルも北海道銀行本店ビルと共に今年(2023年)取り壊し予定になっています。銀行の商売というものもなかなか波乱があるものだなとしみじみ思わされます。

 ちなみにススキノ交差点角に戦後から建っていた小さなビルとは、三國屋鳥獣店の入っていた建物(1番上の画像参照)のことです。増築を重ねたようなコンクリート打ちっぱなし4階建ての姿には戦後独特のやんちゃな魅力が漲っていました。このビルは1982年に現在のビルへ建替されたようでした。
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