営業最終日の姿 2012年12月21日
昨年暮れ、48年の歴史にピリオドを打った「純喫茶 声」。開店当時は、札幌市内で4日に1店がオープンするという喫茶店戦国時代だったそうです。片方では、お座敷喫茶・同伴喫茶・ゴーゴー喫茶が幅を利かせていたといいます。5年もてば老舗の仲間入りという業界で、48年も続けられたのには驚きです。
和田義男氏の「札幌喫茶界昭和史」によれば、喫茶店経営の4要素は①コーヒーの味 ②室内のムード ③音楽 ④軽いエロ であるとのことでした。私は3度ほど入らせて頂きましたが、この4要素があったかどうか・・・、わからないけれども、印象に残っているのは食事メニューの多さでした。
スパゲティーナポリタンが人気メニューでした。辛口の伊丹十三さんが言うところの、味に貧しい日本人がアレンジした「炒めウドンのケチャップ和え」というやつです。彼がこの店に入ることがなくて良かったと胸を撫で下ろします。
食後はテーブルクロスを捲って、スペースインベーダーに興じるのが常連のお決まりコースだったらしいです。
先日、通りかかったら更地になっていました。