失われた建築

2024

札幌市営発寒団地 7・8・9号棟

2024年
解体

2024.04.07

札幌市西区発寒11条5丁目

7・8号棟1968年 9号棟1969年

Google earth より

 札幌市による住宅行政の歴史もまた興味深いものです。戦後少し経過した1948(S23)年から第1種市営住宅が、そして翌年から第2種市営住宅の建設が始まっています。1949年にはさっそく鉄筋コンクリート造4階建てという市営住宅も建設され、華々しいスタートだったようです。

 さてこのたび、札幌市営発寒団地 7・8・9号棟が解体されました。団地の市営住宅は1961年からの幌北団地と1962年からの月寒団地がその先駆けですが、幌北団地は1965年建設の15号棟を残して他は全て解体、月寒団地も2020年に建替されました。この発寒団地は1~3号棟が1967年の建設でしたが既に建替されています。今回解体された7・8・9号棟は引き続き建設された貴重な初期タイプのものでした。

 アップダウンする札幌新道を運転していますと、発寒団地7・8・9号棟の姿に目が留まったものです。理由はトタン屋根のひどく錆びついているのが見えたからなのでした。どうして塗替えしないのだろうと訝しんでいたのですが、このたびの解体を見越して対処しなかったのだと納得できました。
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