無落雪屋根は群れの中でも数軒だけにしか採用されていなく、残りは三角屋根でした。しかし、どの貸家も玄関の位置や窓の配置が同じだったので、無落雪屋根の貸家も元々は三角屋根だったのではないかと思います。恐らく、屋根から歩道へ雪が落ち溜まることに対処して、該当貸家の屋根を改造したのが理由ではないでしょうか。最初から無落雪屋根だったとしたら、戦後北海道の住宅建築史の中で「早すぎる事件」に値すると思います。三角屋根の取りついていた跡がモルタル壁面にうっすらと残っているのも見えましたので、やはり、後からの改造だろうと思われます。
ああでもないこうでもないと悩ませてくれた貸家群でしたが、このたび解体されてしまいました。