失われた建築

lost/2013

明治生命ビル

2013年
解体

2013.07.06

札幌市中央区大通西3丁目

2013年 解体

1971年

大成建設

在りし日の姿

2013年7月

 1971年生まれ、私の同期 明治生命ビル。

 数年前、このビルの解体方針が決まり全テナントが退去をすませた後も某クリニックだけが残り、夜は11階にのみ照明が点くという状態が続いていました。人の寄り付かなくなったこのビルにホームレスが棲みつきました。竣工当時、近未来的なデザインであっただろう1階ピロティの隅っこが、彼らのねぐらとなったのです。

 一昨年の春、遂にそのクリニックが退去するとともに気温塔と1階ピロティが囲われました。豊平橋を追われ、伊藤邸裏のJR高架下を追われ、最後にここへ辿り着いた彼らは、またも追い出されることとなってしまいました。。彼らは今、一体どこにいるのでしょうか。


 それから更に2年が経過し、遂に解体工事が始まりました。

 このビルの設計施工は、大成建設。このたびの解体工事も大成建設が請け負っていました。寂しい解体現場でありながら、その最初から最後まで面倒を見続ける姿を見て、何と素敵な事かと唸りました。
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