失われた建築

lost/2021

W医院

2021年
解体

2021.11.18

札幌市中央区南14条西15丁目

2021年 解体

1976年

不明

不明
 何とも言えない彫塑チックな外観だったW医院。

 L字平面の総2階建てで、その出隅を切り欠いたところをエントランスとしていました。アーチ風に装飾された玄関は軒を深く延長させた大きな空間の中にあり、ヒトのスケールからかけ離れた異質な印象を抱かせられました。

 このように建築デザインを文字で説明しようとする行為は、私の下手な文章を脇においたとしても、不毛な作業でありましょう。とにかく下の画像を見ていただくのが手短です。

2010年の姿

 白い塗り壁とベージュのタイル、そして赤みがかった板張りの軒天。それぞれの存在感とその配分が、まさに良い塩梅でした。細い放射状グリルのついた玄関扉の上には、緑色の大中小の円盤が並んでいます。意味はない、感じなさい、とでも言われているようなインパクトの装飾でした。

 捉えがたい装飾の謎、美しく閉院したままの謎、疑問符だらけの建物へついに解体工事が始まったのでした。
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